内部統制システムに関する方針

当社は、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社(以下「持株会社」)が定める経営理念(ミッション)の下、経営資源の効率的な活用と適切なリスク管理を通じ、長期的な安定と持続的成長を実現するため、以下のとおり透明性と牽制機能を備えた経営体制を構築し、当社およびMS&ADインシュアランス グループ(以下「MS&ADグループ」)全体の企業価値の向上に努めていく。

1. 職務執行の効率性確保のための体制
(当社およびその子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制)

  1. 当社は、迅速な意思決定と適切なモニタリングを両立させるため、執行役員制度を採用するとともに社外取締役を選任し、取締役会による「経営意思決定、監督機能」と執行役員による「業務執行機能」の分離と機能強化を図る。加えて、取締役会において実質的な論議を可能とするため取締役の員数を15名以内とするとともに、執行役員へ業務執行権限の委譲を進める。
  2. 当社は、取締役および執行役員の職務執行が適正かつ効率的に行われるよう、組織・職務権限規程等を定め、遂行すべき職務および職務権限を明確にする。
  3. 当社は、取締役、執行役員および従業員が共有する全社目標として、MS&ADグループの経営計画に則って中期経営計画および年次計画を定め、その浸透を図るとともに、適切な経営資源の配分を行う。
  4. 当社は、経営基盤としてのITの重要性に鑑み、MS&ADグループのITガバナンス基本方針に従い、ITガバナンス態勢を構築する。
  5. 当社は、事業活動における税務の重要性に鑑み、MS&ADグループの税務に関する基本方針に従い、税務ガバナンス態勢を構築する。
  6. 代表取締役は、四半期毎に業務執行状況を取締役会に報告する。取締役会は、報告内容を踏まえ、必要に応じて、目標の修正または経営資源の追加配分等の対応を行う。

2. 法令等遵守体制
(当社およびその子会社の取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制)

  1. 当社およびその子会社(会社法および保険業法上の子会社をいう。以下同様とする。)は、MS&ADグループのコンプライアンス基本方針に従い、全役職員に対しコンプライアンス意識の徹底に取り組み、法令や社内ルール等を遵守し、高い倫理観に基づいた事業活動を行う。
  2. 当社は、コンプライアンスの徹底と企業倫理の確立を図るため、法令等遵守規程を制定するとともに、その実践計画としてコンプライアンス・プログラムを定め、その実施状況を監視する。また、コンプライアンス・マニュアル(共通編)を定め、当社およびその子会社の事業活動、経営環境等を勘案して必要に応じて見直しを行う。
  3. 当社は、当社およびその子会社のコンプライアンスに関する事項を統括して管理するコンプライアンス統括部門などの組織・体制を整備する。また、コンプライアンス推進態勢の更なる充実・強化を図るためコンプライアンス推進会議を設置し、同会議で確認された課題について必要な措置を講じる。当社は、定期的にコンプライアンス推進状況を取締役会に報告する。
  4. 当社は、当社およびその子会社の役職員がコンプライアンス上の問題を発見した場合の報告ルールを法令等遵守規程に定める。コンプライアンス上の問題について報告・通報を受けたコンプライアンス統括部門は、関係部門および子会社と連携のうえ、その内容を調査し、再発防止策等を策定する。
  5. 当社およびその国内子会社は、MS&ADグループの反社会的勢力に対する基本方針に従い、反社会的勢力排除のための体制整備(対応統括部署の整備、対応要領の整備、反社会的勢力に係るデータベース管理体制の整備、警察等外部専門機関等との連携強化等)に取り組み、反社会的勢力に対しては毅然とした姿勢で臨み、不当、不正な要求に応じない旨を全役職員に徹底する。
  6. 当社は、役員等の関連当事者との取引を行う場合には、MS&ADグループおよび持株会社の株主共同の利益を害することのないよう、競業取引や利益相反取引を取締役会で承認するなど監視を行う。
  7. 当社およびその子会社は、MS&ADグループのグループ内取引および業務提携等に関する基本方針に従い、アームズ・レングス・ルールの遵守その他グループ内取引等の適切性を確保するための体制を整備する。
  8. 当社は、MS&ADグループの利益相反管理に関する基本方針に従い、利益相反管理のための体制を整備する。
  9. 当社およびその子会社は、MS&ADグループの外部委託管理基本方針に従い、当社およびその子会社の規模・特性等に応じた適切な体制を整備する。
  10. 当社およびその子会社は、MS&ADグループのスピークアップ制度運用規程に基づき、組織または個人による法令違反、社内規定違反、不適切な行為またはこれらのおそれのある行為について、全役職員等が社内および社外の窓口に直接通報できるスピークアップ制度(内部通報制度)を設け、全役職員に対し制度の周知を図る。また、当社はスピークアップ制度運用規程を定め、通報者が通報を行ったことにより不利な取扱いを行わないことを定めるとともに、制度の運用状況を取締役会に報告する。
  11. 当社は子会社の役職員に対して法令に違反する行為を助言、容認または指示しない。

3. 統合リスク管理体制
(当社およびその子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制)

  1. 当社およびその子会社は、MS&ADグループのリスク管理基本方針に従い、基本的な考え方を共有するとともに、各社の事情に応じて会社別のリスク管理方針を策定し、適切なリスク管理を実行する。
  2. 当社は、リスク管理方針において、適切にリスク管理を行うための組織・体制、リスク管理における役割と責任を明確に定める。
  3. 当社は、統合リスク管理の推進・徹底を図るため、ERM委員会を設置し、リスク管理に関する方針・計画、統合リスク管理状況およびその他の重要事項にかかる協議・調整を行う。
  4. 当社は、当社およびその子会社のリスクおよびリスク管理の状況をモニタリングするとともにリスク量と資本の比較により、必要な資本が確保されていることを確認し、これらの状況についてERM委員会の協議・調整結果も踏まえて、取締役会へ報告する。
  5. 当社は、社会的使命の遂行およびステークホルダーへの責任を果たすため、当社が定める危機管理マニュアルに従い、当社およびその子会社の危機管理態勢および事業継続態勢を構築し、危機のもたらす被害・ダメージを最小化するために必要な体制を整備する。

4. 財務報告の信頼性を確保するための体制

  1. 当社は、監査役候補の選任にあたり、監査役のうち最低1名は経理または財務に関して十分な知識を有する者を選任する。
  2. 当社は、MS&ADグループの情報開示統制基本方針に従い、当社およびその連結子会社に関する財務情報および非財務情報を適正かつ適時に開示するための体制を整備する。
  3. 当社は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に則って、当社およびその連結子会社の経営成績および財政状態の真実明瞭なる報告を行うため、経理規程を定め、経理業務に関する重要事項を定める。
  4. 当社は、金融商品取引法に準拠して実施する「財務報告に係る内部統制」の当社およびその連結子会社における整備・運用状況の評価結果について、検証を行う。
  5. 当社は、公正な情報開示を担保するため、情報開示統制及び手続規程を定め、情報開示統制の有効性評価と実効性向上への対応を行う。また、当社およびその連結子会社における情報開示統制の有効性および情報開示の適正性に関する検証結果を取締役会に報告する。

5. 内部監査の実効性を確保するための体制

  1. 当社は、MS&ADグループの内部監査基本方針に従い、実効性があり、かつ効率的な内部監査を実施するための体制を整備する。
  2. 当社は、内部監査部門として独立した専門組織を設置し、当社およびその子会社の全ての業務活動を対象として内部監査を実施する。
  3. 当社は、内部監査に係る基本的事項を規定する内部監査規程ならびにリスクの種類および程度に応じた内部監査計画を定める。
  4. 内部監査部門は、実施した内部監査の結果等のうち重要な事項、監査対象部門における改善状況等を取締役会に報告する。

6. 情報管理体制
(取締役の職務の執行等に係る情報の保存および管理に関する体制)

  1. 当社は、会社情報管理規程を定め、取締役および執行役員の職務の執行に係る文書等(取締役会議事録および決裁書等の重要な文書をいい、電磁的記録を含む)その他の会社情報を適切に保存および管理する。また、取締役および監査役は、これらの情報を常時閲覧できるものとする。
  2. 当社およびその子会社は、MS&ADグループのお客さま情報管理基本方針に従い、当社およびその子会社の規模・特性等に応じた適切な体制を整備する。

7. 監査役監査の実効性を確保するための体制

  1. 監査役の職務を補助すべき使用人、当該使用人の独立性および当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する体制
    1. 当社は、監査役の職務を補助するため、監査役室を設け専任の職員を置く。
    2. 取締役は、監査役室の独立性に配慮し、監査役室の組織変更、上記職員の人事異動および懲戒処分を行うにあたっては監査役会の同意を得るほか、上記職員の人事考課については監査役会が定める監査役と協議のうえ行う。
  2. 監査役への報告に関する体制
    1. 取締役および執行役員は、職務執行に関して重大な法令・定款違反もしくは不正行為の事実、または会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を知ったときは、直ちに監査役会に報告しなければならない。
    2. 取締役および執行役員は、事業・組織に重大な影響を及ぼす決定、内部監査の実施結果、内部通報状況、その他監査役に報告を行う事項の報告について、監査役との協議により定める方法により、遅滞なく監査役に報告する。
    3. 当社およびその子会社の役職員等は、経営上重大な法令違反、社内規定違反、不適切な行為またはこれらのおそれのある行為について、持株会社および当社の監査役に直接内部通報することができるものとする。
    4. 当社およびその子会社は、①~③の報告をした者について、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行わない。
  3. その他
    1. 当社は、監査役が、取締役会のほか、経営会議その他の重要な会議に出席できることを、関連する規程等において明記する。
    2. 取締役会長、取締役社長および代表取締役は、監査役会と定期的に、当社が対処すべき課題、監査役監査の環境整備の状況、監査上の重要課題等について意見交換を行う。
    3. 内部監査部門は、監査役から求められたときは、監査役の監査に対し協力する。
    4. 当社は、監査役からその職務の執行について会社法第388条に基づく費用の前払または償還の請求等を受けた場合には、同条に従い手続を行う。

8. グループ経営管理体制
(当社ならびに親会社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制)

  1. 当社は、持株会社が定める経営理念(ミッション)・経営ビジョン・行動指針(バリュー)を、当社およびその子会社の全役職員へ浸透させるよう努める。当社は、経営理念(ミッション)・経営ビジョン・行動指針(バリュー)の趣旨・精神を尊重する企業文化・風土が形成されているか、その実践状況を取締役会に報告する。
  2. 当社は、持株会社と締結する経営管理契約(以下「経営管理契約」という。)に基づき、持株会社が定めるMS&ADグループの基本方針(コーポレートガバナンス、リスク管理、コンプライアンス、内部監査等)を遵守するとともに、持株会社から必要な助言・指導・支援を受け、当社およびその子会社の規模・特性等に応じた体制を整備する。
  3. 当社は、当社およびその子会社に関する重要事項について、経営管理契約に基づき、持株会社に承認を求め、または報告する。
  4. 当社は、子会社に対し、株主総会決議事項について適切な意思表示を行うなど、適切に株主権を行使する。
  5. 当社は、経営管理契約に基づき、当社の子会社の経営管理を行う。また、各社の規模・特性に応じて以下の①~④に記載する内容を含めた業務の適正を確保するための体制を整備する。なお、海外の拠点・子会社については、体制整備の推進にあたり現地の法令や特性を尊重する。
    1. 当社の子会社の役職員の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
      当社は、子会社の重要事項について、当社の承認または当社への報告を求めることとする。加えて、それらのうち一定の基準を満たすものについては、当社取締役会の付議事項とする。また、定期的に子会社の業績について報告を受け、当社取締役会および経営会議に報告する。
    2. 当社の子会社の役職員の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
      当社における担当執行役員および担当部門を定めるとともに、規程等の雛形を提供する等、グループ横断の内部統制システムを整備するにあたり必要な助言・指導・支援を行う。
    3. 当社の子会社の役職員の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
      当社は、スピークアップ制度(内部通報制度)を設け、組織的または個人による法令違反、社内規定違反、不適切な行為またはこれらのおそれのある行為について、当社および子会社・関連会社の全役職員が、社内および社外の窓口に直接通報できる制度を設ける。
    4. 当社の子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
      子会社は、MS&ADグループのリスク管理基本方針を踏まえ、各社の事情に応じて会社別のリスク管理方針を策定し、適切なリスク管理を実行する。また、子会社・関連会社のリスク管理に関する事項についてはERM委員会等において、コンプライアンスに関する事項についてはコンプライアンス統括部門等において、横断的にモニタリングを行う。そしてそのモニタリング結果のうち、重要な事項については、当社取締役会に報告する。

9. 本基本方針の改廃

本基本方針の改廃は取締役会決議により行う。ただし、方針・規程等管理規程第4条第1項ただし書、第2項および第3項に基づく改廃はこの限りではない。

以上

2022年6月1日最終改定